このサイトをご覧になっているという事は、もしかしたらあなたはITシステム(orサービス)の運用、または運用設計で困っている方でしょうか。
- 日々の運用業務がうまくいかず、何とか改善したい…
- 新規システムの開発プロジェクトで、「運用設計チーム」のリーダーになったけど、どう進めてよいか分からない…
いや~、「運用」って、本当に難しいですよね。
「24時間正常に稼働していて当然」、「セキュリティは守られていて当然」と言いながら、「運用に金はかけられない」、「運用なんて誰でもできるでしょ」と考えている人の多さには、怒りを取り越して悲しみすら覚えます。
本来、ITシステム(orサービス)における「運用」は、「開発」と同じくらい重要なものです。いや、セキュリティやコストの観点ではむしろ「運用」の方が重要度は高いかもしれません。
また、適切な運用スキームを設計し、実行し続けるためには、非常に高い専門性が必要です。
しかし、残念ながらこの「運用の重要性・専門性」が不当なほどに理解されていないのが、日本のIT業界の実態だと思います。
「運用」とは何か?
日本のIT業界において、なぜこんなにも「運用の重要性・専門性」が理解されていないのでしょうか。私は、「運用」いう言葉の曖昧さが大きな要因の一つではないかと考えています。
少し具体的な例で考えてみましょう。
みなさんは、ITシステム(orサービス)の「運用」というと、どのような事をイメージされますか?
経験や状況によって様々だと思いますが、以下のような事をイメージされる方が多いのではないかと思います。
上記の例だと、「運用」とは単なる「作業」です。「作業」なので「運用なんて誰でもできる」、「運用に金はかけられない」という話になる訳です。
・・・本当にそうなのでしょうか?
あなたが運用者として、実際に作業を行う事を想像してみてください。
個人的に運営しているWebサイトの作業を行う訳ではないのですから、組織のルールに従う必要がありますよね。ルールの例としては以下のようなものをイメージして頂くと、分かりやすいのではないかと思います。
そうなんです!お気づきの通り、日本のIT業界では「運用」について語る際に、上記のようなルール決め・ルールの遂行管理が含まれていない事が多いのです。しかし、運用は開発のように一過性のものではなく、長期にわたって実行し続けるものですから、明文化されたルールを作って、その遂行を管理する事が必須となります。
この「ルール決め(運用設計)」や「ルールの遂行管理(統制)」は単なる「作業」ではありません。非常に高い専門性が必要です。
ITに関する全般的な知識・運用関連技術に対する深い知識はもちろん、セキュリティ・内部統制などの知識も必要です。また、開発チームに対してはシステム設計の段階から運用観点での要件をインプットしていくコミュニケーション能力も必要です。さらに、障害発生時には全体をコントロールするリーダーシップも必要になります。
しかし、この重要性・専門性があまり認知されていないせいか、運用設計の進め方について、体系的に書かれてる日本語の書籍やサイトは非常に少ないように思います。
もっとも、この分野の専門書籍としてはITIL®が存在します。しかし、あまりにもカバーする範囲が広い事と、学術的すぎて既に知識がある人にしか理解できないという点で、あまり実用的ではないと思います。
※もちろん個人的には ITIL® は大好きですが(笑)
本サイトの目的
本サイトでは、私のIT運用・運用設計の経験と、ITIL ® ・VeriSM™・SIAM™から得た体系的な知識をもとに、「日本のITシステム(サービス)の実態にあった運用設計」として、以下のような内容を中心にご紹介していきたいと思います。
- IT運用設計の全体像を可視化する
- IT運用設計でやるべき事を体系だって説明する
- IT運用設計のアウトプットのサンプルを提供する
また、IT運用に関わる方のキャリアパスや、関連する認定資格などについてもご紹介していきたいと考えています。
本サイトが、IT運用で困っている方の助けになると共に、IT運用に関わる皆様の地位向上につながれば、これほど嬉しい事はありません。