私は現在、国内ITベンダーでITサービスの構築や運用に従事しています。
もう大分昔の話になりますが、大手金融機関に保守SEとして常駐し、運用保守業務を担当していた2000年代前半に「ITシステム運用のベストプラクティス」としてイギリスから持ち込まれたITIL®の考え方にすっかり共感してしまいました。
それ以来、運用コンサルティング・運用改善・運用システム構築など、運用の視点から数多く「ITシステム」に関わると共に、10年ほど前からは「ITサービス」を立ち上げて運営する、というような業務も行っています。(「ITシステム」と「ITサービス」は、あえて違う言葉を使っています。この違いについては後日ご紹介したいと思います)
このように、私はあくまでも「IT」という範囲で仕事を行ってきた訳ですが、数年前から、会社やお客様から「デジタルトランスフォーメーション(DX)」という言葉で非常に強い圧力を受けるようになってきました。
この「デジタルトランスフォーメーション(DX)」という概念は、単に「仮想化技術を使ってシステムのコストを下げる」とか「AIを使って業務の効率をあげる」というITの範囲に留まるものではありません。
いろんな定義があるのですが、経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、「DX」を以下のように定義しています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
出典元:経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004.html
「ビジネスモデル」、「業務そのもの」、「組織」、「プロセス」、「企業文化・風土」の変革という事なので、つまり「DX」=「デジタル技術を使って、会社そのものを変革する」という事なのです。
「果たしてそんな事がITベンダーの立場から提案できるのだろうか?」ともやもやした気持ちを抱えながら日々試行錯誤していますが、先日VeriSM™ という、「新しいサービスマネジメントのアプローチ」を学習し、無事Professional認定を取得する事ができました。
これを機会に、私自身の知識を整理しつつ、「DXしたい」と思われている経営者の方や、「DXしたい」と言われて困っているIT部門・ITベンダーの皆さまのお役に立つ情報を発信していければ、と思っています。